古文な気分「百人一首を覚えよう」14回目!
「古文な気分」は「百人一首を覚えよう」シリーズをお送りしています。
雨ですね。
しかも寒い!冷たい12月の雨です。
こんな日は暖かいお部屋で…百人一首を覚えましょう!
とうとう「きまり字」6字 最後です
31 あさぼらけ ありあけのつきと みるまでに よしののさとに ふれるしらゆき
64 あさぼらけ うぢのかはぎり たえだえに あらはれわたる せぜのあじろぎ
15 きみがため はるののにいでて わかなつむ わがころもでに ゆきはふりつつ
50 きみがため をしからざりし いのちさへ ながくもがなと おもひけるかな
76 わたのはら こぎいでてみれば ひさかたの くもゐにまがふ おきつしらなみ
11 わたのはら やそしまかけて こぎいでぬと ひとにはつげよ あまのつりぶね
ぱっと見、お分かりかと思いますが
「あさぼらけ」だけ聞いて 「あらはれわたる せぜのあじろぎ」
を取ってしまってはいけないんです。
「よしののさとに ふれるしらゆき」の可能性もあるんですから。
あせらないあせらない。
「わたの原 八十島かけて こぎ出でぬと 人には告げよ あまのつり舟」
「わたの原」なんですが「わた」は海、「原」は広い所、つまりは大海原を指すんですね。
作者の 参議 篁(さんぎたかむら)は 837年に遣唐副使に任ぜられました。
けれど大使と争って乗船しなかったために、隠岐に流罪になってしまったんです。
隠岐に送られていく途中、出会った漁夫の釣り舟に
この歌を作って詠んだそうです。
遣唐使は壊れた船で行け、と言われていたそうなので
断ってしまうのも無理のない話です。
その後、許されて参議に進んだ、ということです。良かったですね~。
短歌の良さの一つに その歌の詠まれた背景がうかがえるというところが
あると思います。
その背景が思い浮かぶと、より暗記が深い物となりますね。
こうやって暗記すると その記憶は一生物ですよ!
これで「きまり字」での覚え方は最終回なんです。
パチパチパチ~。
次回からは「百人一首シリーズ スピンオフ 歌の背景」について
書いてみたいと思います。